福山市の屋根葺き替えの種類
葺き替えの中身は、今の屋根材と新しい屋根材の組み合わせで変わります。4つの組み合わせと、古いスレートを撤去するときの注意点を説明します。

瓦屋根から軽い金属屋根へ
粘土瓦を下ろし、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材に替える葺き替えです。ケイミューは、屋根が重いほど地震の際に建物への負荷が大きく、重心も高くなって大きく揺れると説明しています。屋根を軽くすれば、軽量化と重心の低下で揺れを小さくできます。
金属屋根への葺き替えが、市の瓦屋根耐風改修補助の対象になるかは、制度の要件だけでは読み取れません。補助を使いたい場合は、下の手順のとおり、契約の前に市の建築指導課へ確かめてください。
瓦から瓦へ(ガイドライン工法)
瓦の風合いを残したい場合は、新しい瓦に葺き替えます。日本建築防災協会のパンフレットは、平部の半分以上で瓦のずれや割れが見られるなど傷みが広い場合に、野地板や防水シートの取り替えから瓦のふき替え・留め付けまでを全面改修するとしています。その際は、原則として全ての瓦を釘かねじで下地に留める「ガイドライン工法」にします。
新築の瓦屋根は、2022年1月1日から緊結方法の基準が強化されました(広島県)。市の案内によると、2001年より前に葺かれた瓦屋根の多くは、土の上に瓦を置く「土葺き」や、引っ掛けるだけの「引っ掛け桟葺き」で、瓦が下地にしっかり固定されていません。
スレートから金属屋根へ
割れや反りが増えたスレート屋根を撤去し、金属屋根材に替える葺き替えです。スレートを残して上に重ねるカバー工法より撤去と処分の手間はかかりますが、防水シートも新しくでき、野地板を直接見て補修できます。ケイミューは、カバー工法では屋根が重くなる分、耐震性に影響が出るおそれがあると説明しています。下地が健全なら、カバー工法の見積もりとも比べてください。
野地板・ルーフィングの交換
屋根材の下には、野地板(下地の板)と防水シート(ルーフィング)があります。葺き替えでは古い屋根材を外したあと、破損したり古くなったりした野地板を撤去し、新しい防水シートと野地板を張ってから屋根材を葺きます。屋根の塗り替えでは、この下地を点検できません(ケイミュー)。

福山市で外壁塗装をご検討の方へ
- 外壁や屋根の気になる状態を、フォームからそのまま相談できます
- 現地調査と見積書の内容を確認してから、依頼するかどうかを決められます
- 提携する塗装店の建設業許可などの情報は、確認できたものを本サイトに掲載します
瓦屋根耐風改修補助を使う葺き替え(2026年度)
福山市には、瓦屋根を強風と地震に強い屋根に直す工事への補助があります。2026年度の内容は次のとおりです(2026年10月3日時点で市のページを確認)。
対象の住宅
市内の木造一戸建て(店舗部分が延べ面積の半分未満の併用住宅を含む)で、2021年12月31日以前に着工した、粘土瓦またはセメント瓦の屋根。スレート屋根と金属屋根は対象外です耐震性の条件
1981年6月1日以降に着工した住宅か、それ以前の住宅で耐震改修を済ませたものなど、「耐震性を有する住宅」であること耐風診断
建築士、または建設業者に勤める瓦屋根診断技士・かわらぶき技能士・瓦屋根工事技士が、屋根が国の告示基準に合っているかを診断します。補助は診断費の3分の2で、上限2万5千円耐風改修
診断で基準に合わないとされた屋根を、建設業者が屋根全面で告示基準に合わせる工事です。改修費(または屋根面積×3万円/㎡の低いほう)の23%、上限69万円期限
2027年2月26日までに工事完了の実績報告ができること
市は着手前の交付申請を求めているため、事前相談、耐風診断、交付申請、交付決定の順に進み、そのあとで契約と着手に移ります。2026年5月11日時点の募集は、診断が残り2件程度、改修が残り1件程度でした。予算がなくなれば受付は終わるため、今の状況は福山市建築指導課(084-928-1103)に確かめてください。
葺き替えの費用の目安
費用は、屋根の面積、棟の長さ、野地板の傷み、撤去した屋根材の処分費で決まります。公的なパンフレットとメーカーの試算から目安を挙げます。どちらも福山市の工事価格ではありません。
瓦から瓦へ(日本建築防災協会、2021年3月発行)
屋根面1㎡あたり約1万3千〜2万3千円と、棟1mあたり約5千〜7千円の合計。屋根面積132㎡・棟12mの例で、おおよそ200万〜300万円。税込か税抜かは書かれていません費目の内訳(同)
足場・養生1,000〜1,500円/㎡、既存屋根の撤去1,500〜2,000円/㎡、野地板の下地改修1,200〜2,000円/㎡、防水シート600〜1,200円/㎡、処分費2,500〜4,500円/㎡(こちらも税込か税抜かは書かれていません)メーカーの試算(ケイミュー)
屋根面積101㎡の寄棟モデルで、陶器瓦から同社の屋根材「ROOGA」への葺き替えが約370万円(税込)〜、スレートから同社の金属屋根材「スマートメタル」への葺き替えが約325万円(税込)〜。運搬費・処分費・付帯工事費は含みません
見積書では、処分費と野地板を張り替える範囲が入っているか、税込の総額はいくらかを確かめてください。
葺き替え工事の流れ
- 1
現地調査と石綿の事前調査
屋根材の種類、瓦のずれや割れの範囲、天井の雨染みを確かめます。撤去する屋根材に石綿が含まれるかの調査もこの段階で行います。
- 2
見積もり・補助の申請
補助を使う場合は、交付決定を受けてから契約します。木造2階建てで、2025年4月以降に着手する工事が垂木にまで及び、屋根の水平投影面積の過半を改修する場合は、建築確認の手続きが必要です(国土交通省)。屋根材だけを替える工事は、大規模の修繕に当たらないと扱われます。
- 3
撤去と下地の新設
足場を組んで棟や瓦を下ろし、傷んだ野地板を張り替えて、新しい防水シートを敷きます。
- 4
屋根材の施工
瓦なら桟木を付けて1枚ずつ釘で留め、最後に棟を積みます。ケイミューの目安では、葺き替えの工期は約1.5〜2.5週間です。
詳しくは屋根カバー工法をご覧ください。
